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ある。鎌田先生から非常によいアイディアを教えていただいてこのような進展がみられたわけである。この制度は、適切な形でオーストラリアの他の州にも広がっていくと信じている。というのも、他のオンブズマンとも非常に協力的な体系で物事を進めるということを今、考えているからである。

こうしたオンブズマン同士の相互協力の一つの特徴としては、アクセスを確保するという意味で、例えば、ある州の市民が別の州のオンブズマンにアクセスをとることができるといったことも考えている。つまり、自分自身の権限において、日本のオンブズマンの方にオンブズマンとしての機能を委任することも可能なのである。例えば、日本の方がオーストラリアに来られた、しかし、オーストラリアの観光局の対応がどうも残念な形になってしまって、日本の観光客の方あるいは訪問者の方が何らかの問題に遭遇したとする、そして、その在り方に対しての救済を求められた、しかし、仕事もあるので日本への帰国をしなければならなかった。その際には、オーストラリア大使館にこの問題を持っていくことも可能であるが、それと同時に、日本のオンブズマンに最初のアクセスをとって、そこから私に対して委任するということが可能である。

 

結論を言えば、現代に生きるオンブズマンとして将来の方向をさぐるという非常に大きな課題があるわけで、そして、制度の強化を求めるということをわれわれとしてもやっていきたいと思うが、やはりその土台にあるのは、一番最初に話したよきオンブズマンたる様々な要素であると思う。また、世界に展開するオンブズマンの経験をそれぞれ集合させる、持ち寄るということも一つの方策である。また、各社会においては、既存のあるいは伝統的な正義、社会正義に対するアクセスの方法というものはあるわけで、それを創造的な形で使い、それと同時に、オンブズマンの役割と繋げていくということも考えられる。

他のオンブズマンとの協力的なアレンジを考えるということもある。例えば、先程、判事の委託というかアクセスの委託という話をしたけれども、それに代表されるような強力なアレンジをすることによって、より効果的なオンブズマンの能力を発揮させるということも追求できると思う。つまり、効果的なネットワークを作るということでもある。そしてまた、さらに将来のオンブズマンとしては、より包括的な、そしてまた、より積極的な行動を主にした行動型のオンブズマンというのも考えられるかと思う。それによって、社会的、政治的あるいは司法的な分野で様々な変革がある現代において、この社会でのサービスをより向上させることが可能であろうと思う。

 

 

 

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